職人的加工技術とNC加工技術の融合の中川鉄工株式会社 Nakagawa iron works Co.,Ltd

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「ビジネスチャンスの獲得をめざして!」
        〜製造業10社が集う異業種交流会「OPM会」〜
ホームページを開設して、会員企業のビジネスの芽を育てようとトライする異業種交流会「OPM会」。似顔絵イラストを配した、人なつっこいサイトになっています。とても型破りなこのサイトには、どんな意図があるのでしょうか?


インターネットで仕事が取れるのか!?
 「インターネットで製造業者が新しいサービスを企画して、それが販売に結びつくかを実験したいんです」。
OPM会会長の中川裕之さん(33)、事務局の後藤良一さん(42)は口をそろえて新しいHP(ホームページ)の目的を語ってくれました。会員企業が“サービス製品”をそれぞれ独自に企画。期間中に部品加工の仕事を発注すると、会員企業それぞれの特典が受けられるそうです。
「問い合わせはかなりありますが、具体的な案件受注まではまだ…」と中川さん。OPM会事務局は大阪製作所(八尾市)の中にあります。のどかな住宅街に囲まれた作業場。鉄やステンレスの塊が積み上げられ、中では職人さんが切削や研磨の腕を振るっています。事務室の壁にはこんな貼り紙が。「ちいさい会社なんですが、日本一の技術と真面目さで、日本一の品物を製造(つく)ります」。これは大阪製作所の社是ですが、お話を伺っているうちに、OPM会の活動にもこうした一生懸命な気概が通っているように感じました。

OPM会って、何だ!?
 OPM(Osaka Product Manufacturing)会は、(財)大阪府中小企業振興協会の勉強会を母体に、二代目経営者及び次期経営者などが集まって92年に発足した異業種交流グループです。板金プレス加工、精密機械加工、設計・組立・メンテナンス、加工ツール&加工情報など、それぞれが得意とする分野を持つ10社が加盟しています。「きっかけは、各社で仕事をとることがだんだん難しくなってきたからです。私たちは技術屋としての仕事には強いが、営業・売りにからきし弱い。考えてみればバブル崩壊後も新しい市場の開拓、アピールをしてこなかった。その危機感をバネに、ものの売り方、ビジネスチャンス発見のための勉強会をスタートさせたのが始まりです」と中川さん。
「そこで、会員企業すべてにビジネスチャンスがまわってくるように、OPM会として市場開拓の窓口をHPで設けたわけです」後藤さんが続けてくれました。「このHP は、中小企業テクノフェアー出展5周年記念の意味もあります。連続5年間に渡って出展できるまでに私たちも成長させていただきましたが、やればやるほど、反省すべきことが出てきます。そんな問題意識を共有しながら、失敗しない方向へともに歩んでいこうというのが、会員に共通する思いです」と中川さんは語ってくれました。

技術をトータルに合わせて完成品をつくる!
「話はさかのぼりますが、中小企業テクノフェアへの出展が、OPM会にとって毎年のメインイベントでした。3年目あたりから、出展へのギモンが出てきたんです」と会長の中川さん。「例えば板金会社は製品が大きすぎて出展できないとかね。いろいろ討論し、部品個別で仕事を受注するのでなくトータルで請け負おうという機運が出てきまして」。そこで、去年はカレンダー製本機を出展したそうです。
「環境がテーマで、無公害なノリを使い、金具を使わないで製本できる機械です。OPM会としては単なる部品だけを創る会社じゃない。技術をトータルプロデュースできる強みをアピールしたかったんです」。
しかし、志はよかったものの、新たな問題がわき上がってきました。「リーダーシップをどこがとるのか。先行資金負担はどうするのか。強力なワンマン会社の率いるグループならともかく、公平平等を旨とする私たちには荷が重い課題でした」と後藤さん。

そこでHP! でも、何を売りにするしたらええんや?
 やがて、何を出展しようか話し合う中でITを活用する案がでてきました。「後藤さんの発案でした。毎年テクノフェア自体の集客力も落ちていることだし、いっそHPをつくろうや、と。でも、設備や技術力をアピールするだけでは当たり前すぎる。どうしよう」と中川さん。
何を売るのか?HPではピカッと光るモノがないとダメ。なにか特化しなければならない。「設備も技術も比べてみると他社と同水準なんですよね。そこで差別化するとしたら、人しかないんじゃないか?」後藤さんは自社のHPでWebマスターをしている経験から、“信頼と安心”を売るしかないことに行き着いたそうです。「商売は結局人と人との交流がすべて。だから人のポリシーや人柄を売っていこうと。HPを楽しく見ていただき、画面上で親しくなって初めて引き合いがくるんですから」。
後藤さんの発案は、会員企業のトップ営業マンの似顔絵を出すことでした。こうして営業ツールとしてホームページを活用していくことが本決まりとなりました。

中小企業テクノフェアーに、人形を出展!
 「大胆にも、キャラクター人形を展示して人を売って行こうやという試みが、今回の出展でした。そこに各社のデジカメ写真を並べて展示。これが、年々集客力が低下しているフェアーのなかでも人気を呼んで、OPM会は去年より多くの名刺が集まったんです」と後藤さん。見てもらえた。反応があった。これは確かな手応えでした。
「展示会はホームページのアドレスを覚えていただく場でいい。ビラも1000枚配りました。すぐに引き合いがなくても、お気に入りに登録していただくことが大切。そして、つねに更新を続けて活気をアピールしていきたい」そうです。同じように似顔絵でとっつきやすさを出した現在のHPはヒット数が増えているとか。
「でも、それを発注に結びつけるには企画力・技術力が必要です。いつか案件が発生したとき設計者に思い出してもらえるよう、ここからがアピールのふんばりどころ」と後藤さん。


HPでニーズを引き出すための仕掛け。
 クライアントからの発言、情報をどうやったら受け止められるのか。反響をみるために掲示板をつくりました。見知らぬ人とも友達になれる場づくりもめざしています。1ヶ月半で1,800ヒットですから、盛り上げていくのはこれから。クオリティや付加価値などテーマを決めたやりとりをするとか、策もいろいろ考えていますよ」後藤さんはOPM会事務方として、一生懸命にトライを続けています。
インターネットで“信頼と安心”を売るためには、じかに会うよりはるかに知恵と労力が必要なのかも知れません。でも、きっとアピールできるコツがあるはず。OPM会はみんなでそのコツを探しています。

価格競争に傾きがちなBtoB市場とは別の道を
「マッチング市場を支える正義は安さです。その価値は私たちも否定しません。でも、これはあくまで既存市場での競争だと思います」後藤さんの言葉は続きます。「私たちは、技術に特化しなければならないんです。たとえば…」要約するとこうなります。
  1. いま、設計営業だけで自社工場を持たないファブレス企業が増大しており、メーカーなのにものづくりの素人が増えている。
  2. 本来のメーカー機能を失ったメーカーの設計者だが、新製品を新市場に出すときはモノづくりのプロとしての意見を求めている。
  3. そこで、我々としてどんな提案ができるか、つねにノウハウを磨き準備しておかなければならない。

市場のニーズと自社の現場ノウハウとのマッチング。
「もの作りの基本は“現場”にある。たとえ3次元CADを使って設計しようが、インターネットでの購買システムを運用しようが、生の“現場”とパイプがあるのとないのとでは大きな違いが出ます。」後藤さんは言葉をかみしめるように語ります。
「じつは私は、自社(大阪製作所)サイトのWebマスターとして、人の意気込みや人柄が感じられるサイトづくりを心がけています。ここでは特化した技術も紹介しており、月20〜30件の問い合わせを受けます」。サイトを利用した営業で年間約1千万円の売上があるとか。「メーカーの技術者にとって面白そうに見える、すると問い合わせが必ずあります。引き合いがあると言うことは市場のニーズに合っていると思うんです」。会長の中川さんは「私たちのやり方が必ずしも正解じゃないかもしれませんが、うまくいったノウハウを会員さんにもぜひ応用してほしいですね」と、締めくくってくれました。


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